セブンチョーク 

ミニマリスト 旅 日記  by チャコペン

遥かなる熊野詣 ー前編ー

まだ横浜にいた頃、東海道を箱根に向かってバイクを走らせていると、「コーヒーとプリン」と見える看板が遠くにあった。あ〜喫茶店か〜と思い、近づいてみると「コピーとプリンター」だった。

こんばんは、チャコペンです。

先日は、の日にちなみ、和歌県に初進出して、熊野三を巡ったので旅日記です。

 

  

午前8時過ぎに出発。まず給油をしようと最寄のガソリンスタンドに入ったところで、雨がひどく降ってきた。スタートからまだ5分ほどしか経っていない。帰るべきか……否!せっかくの3連休、ここで帰ったら終わる!きっと雨は止む!との想いで、カッパを着て、バックパックカバーを装着。雨の降りしきる中、大阪方面へバイクを走らせた。
雨のバイク旅はもう慣れた。東北一周中も何度も経験した。ただ、買い替えたばかりのレザーグローブを濡らしたくなかったので、素手でハンドルを握った。

門真までは下道で行き、大東鶴見から近畿自動車道に乗った。その頃には雨が止んでいたので、高速に乗る前に真新しいグローブをはめた。

近畿自動車道をひた走り、阪和自動車道に変わり、まだまだ大阪から出られない。やがて和歌山市に入り、ちょうどよくパーキングがあったので休憩をした。時刻は10時半だった。

再び走り出し、上富田というところで高速を降りた。ここまでで、自宅からほぼ200キロ走っていた。最初の目的地はさらに50キロ先と道路標識で知り愕然とした。どんだけ遠いねん!と独り言を呟きながらようやく着いたのが熊野本宮大社だった。250キロは横浜から京都に来たときの半分の距離に匹敵する。
途中休憩やら渋滞やらを挟みつつだったがもう14時を回っていた。

f:id:chalkpen:20170817203455j:plain日本一大きいらしい鳥居

f:id:chalkpen:20170817204303j:plain熊野本宮大社

f:id:chalkpen:20170817212024j:plain雑賀孫市率いる雑賀衆日本サッカー協会でお馴染みの八咫烏はここ熊野のシンボル


ここから熊野川に沿って新宮に向かった。30分ぐらいで行けると思ってたら大渋滞にハマって動かずだったが、明るいうちに山を抜け新宮市街に辿り着けたのは良かった。

大学の頃、新宮出身の友達とよくつるんでいた。東京で就職した彼とは、卒業後もちょくちょく遊んでいたが、ある時からぱったりと音信不通になってしまった。彼に一体何があったのかわからないが、偶然彼の母校の前を通った時にそんなことを思い出していた。

新宮に来たのは、熊野速玉大社に行くためだった。

f:id:chalkpen:20170817204902j:plain熊野速玉大社

f:id:chalkpen:20170817220311j:plain熊野三山には男神と女神が祭られているので外削ぎの千木(右・男神)と内削ぎの千木(左・女神)が見られる(例外もあるそう)

f:id:chalkpen:20170817220414j:plainそしてハートに見える

雨は降ったり止んだりを一日中繰り返していたが、参拝後に再び激しく降りだした。
屋根のある門で雨宿りをしながら本日の宿を探していると、とんでもないことに気付いてしまった。

楽天じゃらんではもう宿はない。そのことは昨日から薄々勘付いていた。そしてググっても見当たらない。僕はネカフェが好きで旅でも宿泊施設としてよく利用していた。むしろ一番最初に探すのはネカフェだ。そしてもちろん、ネカフェがあることを確認して行っていたはずだった。ところが検索で出てきていたのはカラオケ喫茶という、どういう形態?何時までやってるの?単なるスナック?と疑いたくなるような個人経営っぽい名前の店ばかり。一番近くの確実なネカフェまでは2時間以上かかる距離だった。現在時刻は18時半。ルートは来た道を戻る山越えか、海っぺりを走るルートのみ。どちらも確実に真っ暗になるだろう。何かいい方法は。日没は迫ってくる。

ない頭をフル回転させて出てきた答えは、近くの銭湯に行ってから24時間営業の飲食店で朝まで粘るというものだった。幸いにも近くのモスバーガーすき家は24時間営業だった。

たいていの旅では宿の予約はしないし、今までそれでなんとかなってきていた。イタリアのヴェネチアでも本当に宿が見つからなかったが、中流バックパッカーの権力で、1泊6万ぐらいの二つ星に泊まった。今回はお金もないが、宿そのものが無いのだから仕方がない。

雨が小降りになったところで、銭湯に向かった。昔ながらのタイル張りのTHE 銭湯 だ。銭湯の閉店時間である21時に外に出てみると完全に雨はあがっていた。そのままモスバーガーに向かったが、途中で23時までやっているコメダ珈琲があったので寄って少しでも時間を稼いだ。
コメダを後にして、いよいよ最後の拠り所、モスバーガーに来たがレジで驚愕した。「本日は1時まで」という文字が。。うそでしょ!どうすんの!?と焦ったが、もう行くところは1箇所しかなかったのであきらめがついた。
1時にすき家に向かい、あとは朝5時頃まで暇してるだけ。お盆だからか若いにいちゃんねえちゃんらがひっきりなしにこの夜中のすき家に押し寄せる。外は真っ暗なのにみんな一体どこで遊んでるんだ。まさか朝方まで営業してるカラオケ屋とかあるのか?と疑念を抱いたがもうどうでもよかった。
一睡もできたかどうかわからない状態で夜は更けていった。

 

続く。

 

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